屋根修理の料金相場まとめ|工法別の費用・工期・選び方

屋根修理は「いくらかかるのか」「どの工法を選べばよいのか」「悪質業者をどう避けるか」の3点を押さえれば過度に怖がる必要はありません。本稿では主要工法の相場と工期、屋根材別の特徴、面積別の概算、長期コストの考え方、トラブル回避術までを一気に整理します。最短の結論は原因特定 → 同条件で3社相見積もり → 保証の書面化です。

主な工法と相場の目安

  • 部分補修:2万〜10万円/即日〜2日。局所の割れ・板金の浮きなど。原因が一点に絞れるときに有効。
  • 屋根塗装:40万〜100万円/4〜7日。下地が健全で表面劣化中心のとき。塗料グレードで寿命7〜15年。
  • カバー工法:60万〜150万円/5〜10日。既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる。廃材少・短工期。
  • 葺き替え:100万〜250万円/7〜14日。屋根材と下地を全面刷新。費用最大だが根治性が高い。

屋根材別の特徴と相場感

  • スレート:塗装40〜70万円、葺き替え100〜180万円。軽量だが20〜30年で要更新。
  • 金属(ガルバ等):カバー60〜120万円、葺き替え120〜200万円。軽量・耐久30〜40年。端部納まりと防錆下地が要点。
  • :部分補修5〜20万円、葺き替え200万円超も。耐久50年以上。耐震配慮と下地確認が重要。

面積と平米単価の早見

単価目安:塗装2,500〜4,500円/㎡、カバー7,000〜12,000円/㎡、葺き替え10,000〜18,000円/㎡。

延床30坪=屋根60〜90㎡とすると概算は「塗装20〜40万円+足場」「カバー60〜100万円」「葺き替え90〜160万円」。急勾配・入母屋・谷が多い形状は役物と手間が増え割高。

長期コスト(ライフサイクル)の考え方

築25年スレート例:塗装(70万円・耐用10年)×2回=140万円+都度足場。一方、ガルバでカバー(100万円・耐用30年)は初期費用は高めでも足場1回で済む。永住前提・再発不安が大きいならカバー/葺き替えの先行投資が合理的。

工法別のメリット・デメリット

  • 部分補修:最安・短工期。ただし原因誤認だと再漏水で割高化。
  • 屋根塗装:外観・防水回復。外壁と同時で足場共有の強み。下地腐食が進むと根治しない。
  • カバー工法:撤去・処分費小、居住影響少。重量増・結露対策・下地見落としに注意。
  • 葺き替え:費用・工期は最大だが再発確率は最小。耐震・断熱も底上げ。

地域差・気候差

都市部は人件費・搬入費が高め、郊外はやや安い。豪雪地は雪止め・下葺き材の仕様UP、沿岸部は耐食等級の高い金属材、強風地は棟板金の固定ピッチ・ビス径の仕様確認を。

実例の概算イメージ

  • 事例A:築25年スレートをガルバでカバー。85㎡・96万円・8日・保証10年。外壁塗装と同時で足場共用し25万円節約。
  • 事例B:築40年瓦を軽量金属瓦で葺き替え。95㎡・218万円・12日。野地板一部交換+断熱補強で冬の光熱費が体感で減。

現地調査で確認すべきチェックリスト

屋根上:割れ・欠け・反り/棟板金の浮き/谷部の腐食/雪止め・雨押え。小屋裏:雨染み・断熱材の濡れ・異臭。外周:雨樋の歪み・取り合い。
写真は全景+クローズアップを依頼し、見積根拠として添付してもらう。

避けたい契約条項

「上限なき実費精算」「天候順延の費用一律施主負担」「保証は任意」等は不利。追加の条件と上限額を明記、保証は年数・範囲・免責を別紙で。

助成金・火災保険

自治体助成は着工前申請と予算枠が原則。火災保険は台風・雹・積雪等の自然災害に適用の可能性(経年劣化は除外)。発生日の特定・被害写真・見積・被害説明を揃える。

点検・メンテの周期

10年ごと点検。塗装7〜15年、金属屋根は20年前後でシーリング・ビス点検、瓦は漆喰・下地の補修。台風・大雪後は早期点検。

契約・支払いの注意

着手金50%超は要注意。一般的には着工・中間・完了の3分割か完了後一括。完了時は屋根上・小屋裏写真と保証書・製品証明書受領を条件に支払う。訪問販売は8日以内クーリングオフ可。

相見積もりの取り方(同条件テンプレ)

各社に同一の質問票:
「屋根面積想定㎡/勾配目安/現状屋根材/希望保証年数/希望工期/足場共用可否(外壁同時か)」を提示。回答はメール本文+PDF見積で、見積日・有効期限・担当者名・所在地を必須。口頭見積は避ける。

FAQ

外壁塗装と同時にすると本当に得?

足場共用で20〜30万円節約例が多く、工程調整で工期短縮も期待できます。

ドローン点検だけで見積は可能?

俯瞰確認には有効ですが、下地腐食や細部の雨仕舞いは確認困難。最終判断は職人の現地確認が必要です。

住みながら工事できる?

可能です。塗装・カバーは影響小、葺き替えは音・振動が増えるため工程表で在宅スケジュール調整を。

どの工法を選べばよい?

下地健全×表面劣化→塗装/劣化進行×下地軽微→カバー/下地腐食・漏水多発・長期居住→葺き替え。原因一点なら部分補修。

雨天が続いたら工期はどうなる?

塗装は乾燥工程のため順延。カバー・葺き替えも安全確保で停工。契約書に順延時の費用条件を明記。

保証には何がある?

施工保証と製品保証。年数・範囲・免責(台風何号相当等)を必ず書面化します。

断熱・遮音を高めたいときは?

葺き替え時に野地板増し張り・高性能下葺き材・遮音シート。カバーでも遮熱鋼板+通気層で夏の小屋裏温度が下がる例あり。

地域の助成はどう探す?

都道府県と市区町村の住宅リフォーム/耐震・省エネ支援ページを確認。対象工事・事業者条件と受付期間・予算枠を要チェック。

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